« 3月25日春の香り | トップページ | 3月30日黒岩重吾展 »

3月29日愛のお荷物/川島雄三

ようやく阿佐ヶ谷ラピュタのモーニングショー

(北原三枝特集)で『愛のお荷物』を観て、

川島雄三の世界に浸り、

気分良く家で焼きたてのパンでお昼ごはんにしていたら、

友人から、「今夜早稲田松竹でやってる

マルコ・ベロッキオの『眠れる美女』へ行かないか」と

誘いの電話が。。。

いつもなら喜んで行くけれど、

今日ばかりは川島ワールドに沈みたいのでパス!

だって、今日、ラピュタでやってるATGの凄味溢れる

ラインナップ(エロス+虐殺、日本の悪霊、鬼の詩、鉄砲玉の美学)

さえパスしたんだから。

↑もち、全部観てます&渡瀬恒彦ファンなので

『鉄砲玉の美学』はパンフ、スチール写真など

揃っています……とコレクション自慢dog

とか言いつつ、

やっぱり電話で映画の話になり、

(早く『眠れる美女』観に行かないと~なのに)

えんえんと田中陽造さんと森崎東さんの話を

結局してしまった……。

森崎東さんの『時代屋の女房』は、

やっぱりキュンとくるなあ。

エラそうにしている男だったり、

自分の気持ちをうまく伝えられない男なんか

リアルな生活では面倒でたまらないけど

映画の中だと、やっぱいいなあ。。。

ところで……

友人は『眠れる美女』に行ったのかなあ~?

かくいう私は

川島作品の多くの脚本を手掛けている

柳沢類寿の一見いいかげんで、

どこまでもふざけていて、

お下劣で、

どーしょーもない人のどーしょーもない所業を

だらだらと描いているくせに

最後には、

「ひらり!」と着地してみせるところに

今日も粋を感じております……!

人間だれしも

明日のことなんかわからないし、

今、ここにあるものがすべて。

損得考えて

うまく立ち回ろうとしたって

ロクなことになりはせぬ……。

頼りないボンボンに見える

三橋達也演じるところの

新木錠太郎が

じつは一番達観していて

時代にある種の絶望を抱いているからこそ

ふてぶてしく享楽的に生きているし……。

家に戻って、

もう一度シナリオを読み直したけれど

やっぱり、緻密に作り込まれている。

川島雄三監督の日活移籍の第一作目で

当初、アンドレ・ルッソンの『赤んぽ頌』を

底に敷いていたらしいけれど、

ルッソンのエージェントに問い合わせたら、

フランスでもやる……ということで

キャンセルされ、

シナリオは最初から全部やり直したとか。

水爆のくだりが、現在の日本の状況に

ハマりすぎて

ちょっと空怖ろしくなった。

どういうことか、あえて書くと

世間体の悪いできちゃった婚にこだわる母親に

錠太郎が微苦笑しながら、こう答える。

「今はね、ボタン一つ押せば

何百万もの人間を一遍に殺してしまう様な

時代なんですよ。

女が結婚の二月(ふたつき)前に

妊娠しようが、

二月後に妊娠しようが問題じゃない。

ほんの笑い話じゃないですか。

笑い話にならないのはね、

生まれる子どもが将来虐殺されるかもしれない

ということだけですよ。

僕はむしろその方がユウウツだな」

と言った後、

「ドカン!」と爆発したような音を

口から出す。。。

そして、最後には

「愛の【お荷物】」と言いながら、

それぞれのカップルにできた

赤ん坊をそれぞれが慈しむ大団円が

やってくる。

(ネタバレすみませんm(_ _)m)

お涙頂戴ではなく、

ちょっと突き放し気味なのがいい!

う~ん

やっぱりいいなあ~。

洒脱にして愛がある。

こんな風に

気分良く映画館を出ることができる映画って

そんなにないんだよなあ~!!!

« 3月25日春の香り | トップページ | 3月30日黒岩重吾展 »

よしだあつこ」カテゴリの記事