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10月25日『玄界灘は知っている』

東京国際映画祭でキム・ギヨン監督の

『玄界灘は知っている』(61)を観た。

『下女』(60)をアテネフランセで観てから、

あの緊密な映像美と“エゴ”の描写が絡んだ

キム・ギヨン監督の作風に

すっかり魅了されている……。

『玄界灘は知っている』は、

音声や映像の欠落を超越し、

脳ではなく、身体の根幹に

鉛で打ちつけてくるような作品。

とくにラストシーン。

主人公のア・ロウンが、

火を放たれた合同火葬場から身を起こし、

ゆらりゆらりと歩いてくるところ。

(半ばネタバレですみません)

もっと強く生きようと思った。

映画を観る前と後とで、

こんなにも気持ちが変わる作品は久しぶり。

かつてはそれを求めて

映画館へせっせと足を運んでいたのに……。

観客席はほぼ満席だった。

アフタートークでは『死の箱』について

石坂健治さんが語って下さった。

これもまた興味深い内容!

上映されたら、必ず行くのだ!

その帰り。

夜の仕事の打ち合わせまで少し時間があったので、

映画獣Y氏と食事する場所を求めて

六本木から飯倉方町を経て田町まで歩くことに。

途中、何度か道に迷い、

そのたびに取材慣れしているY氏が道を訊く。

慶応大学周辺では、

真っ赤な皮ジャンに身を包んだロングヘアの女性に。

田町駅周辺では、

仕立ての良いスーツと質のいいバッグを持った

若いサラリーマン風の人に。

どちらも、「一緒に行きましょうか?」と言って

しばらく我々に同行してくれ、

町のことなどについて雑談をした。

田町駅周辺にはまるで映画のセットのような

レトロな飲み屋街がある。

う~ん、居心地よさそう~。

上記の二人とも、誘えばきっと一緒に

店に入ってくれたような気がする。

店をチラチラ見てたような気もするし……。

(この手の直感はハズレなし☆)

彼らと「じゃあ」と別れたものの、

なんだか名残惜しかった。。。

(やっぱり誘えばよかった……(激しく後悔))

田町駅では、ふらりと入ったドトールで、

Y氏から『愛の勝利を』(マルコ・ベロッキオ監督)の

パンフを見せてもらった。

くるくると丸まったパンフ。

こんな風にパンフを持ち歩いている人は

今まで見たことがない。

でも家に飾っていたって仕方がないから

こんな風に持ち歩くのがいいのかも。

レモンティーをすすりながら、Y氏に

「私はあのシーンが好きなのよ」と

マルコ・ベロッキオ版『肉体の悪魔』(86)の

赤い屋根のシーンの話をすると

さっとわかってくれたのは、さすが!

(私も家にあるパンフ、丸めようかなあと思ったくらい!!)

もっちろん、

クロード・オータン・ララ版『肉体の悪魔』(47)は

その昔、ジェラール・フィリップの過剰な演技が好きで

映画館の特集上映で、ビデオで何度も観た!

余談ですが、

ジェラール・フィリップ、いや、

ジェラール・フィリップ様の御出演されている映画は

『赤と黒』がやっぱり好きで

ポスターを持っていたりもする私。。。

その後、荻窪に戻り、

本日最後の仕事の打ち合わせを終え、

家に戻って、Y氏より旅のおみやげにもらった

加賀温泉の栗入りきんつばを食べた。

(うんまーーーーい!)

夜。

寝る前に、ラディゲの『肉体の悪魔』を読む。

光文社から出ている新訳版(中条省平さん訳)を

松田昭三先生から戴いたのだ。

このところ、松田先生からお手紙やハガキを

戴いているのに、まったく返事をしていなかった。

『玄界灘は知っている』のことを書こう。

 

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