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3月23日山の匂い

今日は大勢の方からお電話をもらって

嬉しかった!!!

アニメフェアや公演なども中止になり、

水道水にまで放射能の影響が出たりと

暗いニュースが続く中、

みんなの気持ちも暗くなりがちだけど、

できるかぎり気持ちを明るくして、

被災地の復興を願いながら

自分の仕事もがんばろうぜ!

なんてことを思っていたら、

大阪の枚方市にお住まいの有岡利幸先生から

お電話が入った。

有岡先生は、人文書院時代に編集に携わった

『松と日本人』の著者。

同書は1993年に第47回毎日出版文化賞を受賞した。

当時、駆け出しの使いっ走りに過ぎなかった私に

仕事を教えて下さったのは編集長であり、

私は有岡先生の写真や図版を割り付けしたり、

文章のチェックをさせて頂いたにすぎない。

当時私は27歳。

若気のいたりからか、無知が過ぎたせいか

やたらと細かいところにこだわって

ゲラを真っ赤にして、しつこく質問する私に、

丁寧に答えて下さった有岡先生と

編集長には今も頭が上がらない。

あんなに仕事に打ち込めたのは

今から思うと、良い環境に恵まれていたからだと

つくづく周りの方々に感謝しています。

そして有岡先生は義理固いお方で、

二十年近く経った今も

お付き合い下さっている。

実は先日、法政大学出版局から1月30日に出た

『ものと人間の文化誌153 檜(ひのき)』を

送って頂いていたのだが、

地震の後のゴタゴタで御礼のお手紙も書けずにいたら、

今日、有岡先生がお電話を下さった。

このあいだの地震で本棚が崩壊した後片付けをしていたら

昨年夏、市ヶ谷の『TO THE HERBS』で

有岡先生と再会した時に頂いた

同書の目次と企画書が出てきたので

先生と食べたパスタやサラダを思い出しながら

読んでいたところだった……。

P1140003 2010年7月有岡先生と私。(市ヶ谷にて)

いつもはすぐ御礼の手紙を書く私が

まったく連絡をしないので心配して

お電話を下さったのだ。

『檜』のお礼と、読んだ感想を少しお話をし、

中に使われている写真が

「山をよく知っておられる方が撮った写真の気がします」

なんてナマイキなことを申し上げたら、

「そうですか。あの翌日にいい写真が撮れたんです……」

とおっしゃった。

そうだった。

あの日、先生は、大きなリュックを持参されていて

たしか木曽の山に入るとおっしゃっていた。

パスタを食べながら、祖父がよく口にしていた

「檜普請(ひのきぶしん)」の話をすると

「そりゃあ、よしださんの家はええ家なんですよ。檜普請ができるやなんて……」

と笑ってらしたが、うちが「いい家」なんてとんでもない!

たぶん、祖父はよその家の話をしていたのだ。

絶対そうに違いない。

山が身近にあった暮らしをしていたから

一日のうち、樹木にまつわる話ばかりしていたのだ。

先生はそれから植物の植生について

私がかねがね疑問に思っていたことについても

詳しく教えて下さった。

私の相変わらずのしつこい質問に、

かつて本を先生と一緒に作った時と同じように

丁寧に答えて下さった。

ああ、そう。

この感じ。

こういう感触が本来の自分のやり方だという気がした。

そもそもカッコつけようにも

自慢できるものなどなーーんにもないから

ひたすら一生懸命やるしかないのだ。

そんなことをいつも思い出させて下さるのが

有岡先生。(大感謝です!!!)

飲めないワインも先生の御相伴で

ほんの少しだけ戴いたが、

とてもおいしかったなあ……。

地震の前はなんと平和だったんだろう……。

今日も話題は、滋賀から京都にかけて走っている

花折断層の話になった。

先日、とある場所で『家庭画報』のお正月の号に

里山を特集のページに有岡先生の名前を

見つけた。

むせかえるような緑、緑、緑……。

山の匂いが懐かしくなった。

近々放送されるNHK教育TVの

『美の壺』の『梅』の回では、

有岡先生の著書『ものと人間の文化史 梅Ⅰ・Ⅱ』(法政大学出版局)

を参考にしておられるとか。

残念ながら有岡先生のクレジットは出ないらしく、

地震でOA日が未定だが、心から楽しみにしている。

有岡先生は、今度は『桃』について書かれるとか。

「桃はおもしろいですよ」

と茶目っ気たっぷりにおっしゃったので

どんな本ができるのか楽しみだ!

夕方。

幼いころからそんなに仲がよろしくない

父親から電話がかかってきた。

連日の報道で「東京が危ない!」と

思ったらしい。

父親と話すのは何年ぶりだろう。

うちは本当に山奥のど田舎。

周りは山に囲まれ、田んぼで米を

畑で野菜を作っている。

じゃあ、野菜が潤沢にあっていいじゃないかというと

そうでもなく、シカやイノシシに食われて

被害を被っているとか。

そういえば

一人で別棟の勉強部屋で夜中まで勉強していて

「怖いっ!」(この場合は幽霊とかそういうモノです)

と思った時、必ず遠くで「ピュー」とシカの鳴き声がした。

シカは細い声で「ピュー」と鳴く。

あれはシカにテレパシーが通じたのかな?

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↑は私の田舎……じゃなくて長野県の八ヶ岳にある

農場試験場。二年前、小さな絵本美術館に行った時、ふらりと立ち寄った時のです。

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