やっとの思いで、昨日、映画のプロットを入稿し終わり
今日予定されていた会が延期になったので、
大泉学園のT-JOYに行き
最近の映画をだーーっと観て、焼肉を食べた後、古本屋を覗いていたら、
講談社の引地さんから電話が入った。
私の家に、篠原勝之さん(そうです!あの偉大なる鉄のゲージツのクマさんです)
の小説『走れUMI』を送って下さり、
なんとなんと今、児童図書第一出版部の方とクマさんと
一緒に飲んでおられるというのだ!
で、なんとなんとクマさんが電話口に出られて
直接お話しすることに……!(感激!!)
私は以前から、クマさんの作品が大好きで、何度か直接作品を見に行ったこと、
モンゴルの大草原での創作のドキュメンタリー番組を観たことなど、
昂奮気味にお話させてもらった。
ゲージツ家の息遣いは優しく、私のアホな受け答えにも
「うんうん」と優しく対応して下さった。
あーもっと頭が良かったら、気の利いたことのひとつも言えるのに~!
私はクマさんの作品にどれだけ感銘を受けたか……というですら
うまく言えなかったのが惜しい。
かつて父親は、古くから続いている田舎の本家に女が産まれたことを憂い、
私を男として育てようとして、工具を一式与え、
トンカチやキリ、ノコギリやカンナの使い方はもちろん、
「蛍光灯くらい自分で作らなあかん」となんだかワケのわからん事を言い、
ハンダごての使い方や、
果ては溶接まで教えたのだった……。
そんな経緯もあって
鉄の作品には惹かれてしまう……。
アートとは、今の自分と繋がる何かを発見することかもしれない。
根源的な美は、他を圧倒して止まない。
余談だが、私の幼少期は、なんせ山奥で、生活自体がアウトドアなもので、
外でむしろ(ゴザなんてもったいない!)を敷いてごはんを食べることはしょっちゅう、
家には鉄工所で作って貰った特注の鉄板があり、
山で獲ってきた鹿や猪を、火であぶってじゅうじゅう焼いて食べていた。
家で作っている白米を外の竈で炊いて、
茶わんではなく、朴葉にのせて香りをつけてよく食べたものだ。
それは家族の誰からということもなく、
「今夜は朴葉飯にしよう」とおばあちゃんが言い出すときもあったし、
気がつくと、朴葉の生えている場所の近くに、むしろが既に敷いてあるときもあった。
今はあんな原始的な生活をしていた事自体が幻のようだけど……。
(ちょっと哀しい……失ったものは大きいなあ~)
クマさんの『走れUMI』は
明日あたりに到着すると思うが、どんな本なのか、めっちゃ楽しみ~!!!!
※追記。
本が届いてさっそく紐解いたが、これは傑作中の傑作!
この新鮮な躍動感はなんなのだろう。
人を描く際には、その人物からけっして逃げてはいけないことを改めて痛感した。
主人公の少年はきちんと自分が本当にやりたいことを見つめ、
自由とはなにを教えてくれるおじいちゃんの筋の通った優しさや、
義足の父親が海の男に戻る瞬間、どうにもならない母親の胸の内に迫っていながら、
自分への課題に挑んでいる。
そして、全編を通して丁寧な筆致で書かれている。
人を慈しむ視点の作品は、あるようで実はそんなにはなく、
欺瞞に満ちたものが多いけれど、これは違う!
あああ、この清涼感。
良い本に出会えたことをクマさんに、そして本を作られた方々、
そしてご丁寧にも、私に送って下さった引地さんに感謝した。